2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

小説「幻想空間」

プロローグ 耳を澄ます。 時折、空き缶の転がる音が聞こえる。 それ以外物音ひとつしない。 古い型の車がロックもせずに放置されている。 錆だらけの三輪車が砂利道の隅に横倒しになっている。 板塀の上に小学生の上履きがきちんと揃えて並べられてある。 何…