家にいながらナンパされた話

昔、私がひとり暮らしをしていた頃の事。

 

朝、出掛ける支度をしていたらチャイムが鳴りました。

ドアホンで応対した所

「下の部屋の者です」

と言われました。

その前夜、室内で音楽をかけてひとりで踊っていたので(私は変な奴です)苦情かと思い

「あ、昨夜うるさかったですか?」

と恐縮しながら聞いたら

「いいえ、違います」

と、のたまいます。

仕方なく開けると、同世代の若い男の子が立っており、何か楽しげに

「ボクは九州の出身で、就職の為にこっちに出て来て、まだ不慣れで、色々あって」

などと、ひとり語りをしています。

「あのう、なんなんでしょう?」

と聞くと

「お友達になってください」

と言われました。

断って傷つけたらいかんのだろうと気を使い

「はい」

と答えると

「有難うございました」

と、跳ねるような軽やかさで帰って行きました。

 

んん、今の何だったなかな、と思いながら会社へ行き、ランチの時にみんなに話した所

「それ、ナンパだよ」

と言われました。

 

わぁ、私、朝から、家にいながらナンパされちゃった。

こんな経験、滅多になーいヽ(*^ω^*)ノ

 

その後、その人とはすれ違う時に挨拶するくらいの中にはなりました。

お友達と言えるかどうか…。

そしていつの間にか引っ越しして居なくなっていました。

友達なら、最後に挨拶くらいしていってよ〜。

 

人はいつナンパされるか分からないと学んだ朝でした。